平和と核軍縮へ日本は立ち上がるべきだ:混乱の時代に問われる対米外交と戦争への姿勢

世界の秩序が不安定さを増す中、選挙で選ばれた指導者に求められる責任ある外交が著しく不足しているとの危機感が広がっている。こうした状況で、核時代における危機を直視し、日本の独自の歴史と平和憲法に基づき、平和と核軍縮で指導力を発揮するよう日本政府に求める声が強まっている。 論説は、日本が広島・長崎の原爆投下と福島の原発事故を経験した国として、核の惨禍を誰よりも知る立場にあると指摘。戦前の軍国主義や米国の覇権的政策に追随するのではなく、世界を破滅の瀬戸際に近づける再軍備・武力偏重の潮流に抗し、核軍縮と外交的解決に軸足を置くべきだと主張した。その上で、長年称賛されてきた日本国憲法9条が「10年以上にわたり延命措置の段階にある」との認識も示した。
具体的には、まず同盟国である米国とイスラエルが行っているとする侵略戦争を日本は明確に非難し、停戦と紛争の収束に積極的に関与するべきだと提案。イランをめぐっては、戦争は「違法で不道徳、残虐であり、地域と世界に不必要な危険をもたらす」として、日本は米国に対し撤収と本格的な核合意再建の外交を再開するよう促すべきだと訴えた。かつて日本がホルムズ海峡での船舶護衛要請を退けた経緯を引き合いに、同様の姿勢を堅持する必要性を強調している。また、イスラエルに対しては、パレスチナの人々と地域への「深刻な暴力」に日本として明確な反対のメッセージを送るべきだとした。
論説は、2026年3月19日にホワイトハウスで行われた高市早苗首相とドナルド・トランプ米大統領の首脳会談にも言及。高市氏がトランプ氏の容姿を持ち上げ、真珠湾攻撃に関する侮辱的かつ不適切で年代的にも荒唐無稽な発言を受け流し、さらに「世界の平和を実現できるのは、あなたドナルドだけだと固く信じている」と語ったとし、日本側が緊張緩和と核軍縮を主導する機会を逸したと厳しく批判した。 トランプ政権の行動についても、論説は、復帰初年に7カ国を空爆したほか、ベネズエラの大統領を拉致し、グリーンランド、キューバ、コロンビア、パナマへの戦争を示唆し、イランへの「違法で不道徳な」戦争を開始して国連秩序と世界経済を混乱させたと非難。こうした対イラン戦争に対する日本国内の支持は9%にとどまるとした。
さらにウクライナ情勢では、日本がロシアの侵攻を非難した経緯を踏まえつつも、今後はロシアの「正当な安全保障上の懸念」を受け止め、停戦交渉の仲介役として前面に出るべきだと提言。隣国であるロシアとの友好的で平和的な関係の回復にもつながり得ると述べた。 論説は、核コードにアクセスできる米大統領の下で核リスクが増す現実を直視し、拡大する武力行使と覇権志向の連鎖を断ち切るためにこそ、日本が歴史的責務として平和と核軍縮の旗を掲げることを強く求めている。
