Facebookの「コミュニティノート」拡大に監督委員会が苦言、実効性に疑問

Metaの監督委員会は、「Facebook」や「Instagram」、「WhatsApp」などで外部のファクトチェックをせず、米国外でも「コミュニティノート」で代替するという同社の計画について検証結果を公表した。その内容は、決して肯定的なものではない。 コミュニティノートは、専任のファクトチェッカーをユーザー主導の仕組みに置き換えるもので、2025年初頭にベータ版として開始された。 今回の報告書 によると、このプログラムの拡大は、対象となる国々に悪影響を及ぼす恐れがあるという。具体的には、選挙を左右し、世界の紛争を悪化させ、人権侵害を助長しかねない不安定な偽情報が拡散されることなどを挙げている。 Metaは監督委員会に対し、米国外にコミュニティノートを拡大する計画を精査し、除外すべき国があるかを判断するよう求めていた。委員会の検証では、コミュニティノートはMetaのプラットフォームから偽情報を排除する上で不十分とされている。
「ノートの公開の遅れ、公開されるノートの数の少なさ、そして広範な情報環境の信頼性に依存している点は、コミュニティノートが危害に結びつく偽情報にどの程度意味のある対処ができるかについて、深刻な疑問を投げかけている」と報告書は述べている。 報告書によると、コミュニティノートの問題は、特に抑圧的な政権下の国々で危険性を高める可能性があるという。そうした国々では、偽情報によって選挙が左右されたり、組織的な情報操作ネットワークが存在したりする。また、Metaの技術では対応できない複雑な言語、インターネットアクセスへの障害、大規模な紛争、あるいは政治的暴力の危険性といった問題も抱えている。委員会は、こうした地域を計画から除外するか、再検討することを推奨している。 Metaの担当者は米CNETに対し、同社が ウェブサイトで公開した声明 を示した。それによると、Metaは委員会の勧告から60日以内に回答し、声明を更新するという。
Metaは、Facebookなどでコミュニティノートに移行するまで、10年以上にわたって外部のファクトチェッカーに依拠してきた。この動きは、 トランプ政権の好意を得るための 政治的なものだと広く見なされている。 Nieman Lab が伝え、監督委員会の報告書でも指摘している通り、コミュニティノートには固有の問題がある。コミュニティのメンバーがノートを投稿する動機がほとんどなく、公開が遅れがちで、プログラムがいまだにベータ版とされているため十分なテストも行われていない。 また、これまでに投稿されたコミュニティノートの数は、ファクトチェックプログラムによって取られた措置よりもはるかに少ない。導入以来、欧州連合(EU)全域のFacebook投稿には3500万件のラベルが付与されたのに対し、米国で投稿されたノートは約900件にとどまっている。
先週、Metaは監督委員会からの厳しい報告書に加え、ニューメキシコ州とカリフォルニア州の2つの裁判で敗訴した。これらの訴訟では、同社のプラットフォームが依存を招くように設計されており、子供たちに害を及ぼしていると指摘されていた。 欧州ファクトチェック基準ネットワーク(EFCSN)は 最近の報告書 の中で、Metaのファクトチェックからの脱却を「大退却(The Great Retreat)」の一環と説明した。これは「世界で最も強力なテクノロジー企業各社が、偽情報と戦うというこれまでのコミットメントを撤回する傾向」だという。
