AnthropicのClaudeがMicrosoft Wordに対応 Copilotの代替となるベータ版アドインを提供

Anthropicは、AIアシスタント「Claude」をMicrosoft Wordで利用できるようにしたと発表した。LinkedInへの投稿によると、同社のWord向けアドインはベータ版として提供され、Microsoftの「Copilot」に代わる選択肢として使えるという。対象はClaudeのTeamプランおよびEnterpriseプランの契約者で、無料で試用可能だが、一般提供の時期は明らかにしていない。 同社は職場向けソフトウェアでの展開を加速している。2024年6月に提供を開始したClaudeは、Gmail、Google Calendar、Google DriveなどGoogle Workspaceの各サービスで既に利用でき、Slackとも連携する。さらに先週、AIエージェントツール「Claude Cowork」がmacOS版とWindows版の有料プラン向けに利用可能になったことも発表した。
Wordユーザーにとって、ClaudeはCopilotに代わる有力な選択肢になり得る。CopilotはMicrosoftが2023年2月に投入したAIアシスタントだが、報道によれば競合に押されつつあるという。Windows 11を含む多くのMicrosoft製ソフトに広く組み込まれていることへの不満を示す利用者もいる。 Wordの支援機能が物議を醸した例は過去にもある。1996年に登場したデジタルアシスタント「Clippy」は、的外れな提案が繰り返し表示され無効化もしづらかったとして、当時多くのユーザーの不評を買った。Clippyは2001年4月11日付で既定では無効化され、現在はChrome拡張機能として表示のみ可能だが、実際の支援機能は提供しない。
Anthropicによると、Word向けClaudeは新規文書の作成だけでなく既存文書の編集にも対応する。テンプレートを開いて必要事項を指示したり、選択した段落に対して文章を引き締める、トーンを変える、受動態を減らすといった編集指示を出せるほか、壊れた相互参照の検出にも対応するとしている。 共同編集時のコメント対応も特徴の一つだ。Claudeは他のユーザーが文書に残したコメントを読み取り、内容を分析した上で指示に応じて返信を作成できるという。例として、相互秘密保持契約(NDA)で「提携先の顧問弁護士が何を変更したのか要約してほしい」と依頼したケースでは、修正点の列挙に加え、そのうち2件を「交渉決裂要因になり得る」と指摘。変更に反論するための契約文言の案を作成し、相手に差し戻す文案まで提示したとしている。
Anthropicの投稿には、Word向けClaudeアドインへの反応も寄せられている。あるユーザーは「Claudeが時々、勝手にMS Office文書を生成しようとする」と不満を示す一方で、別のユーザーは「このリリースを待っていた」と歓迎の声を上げた。 今回のアドインは現時点でベータ提供にとどまり、一般提供の時期は未定だ。今後の展開に関する同社の発表が注目される。
